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2018年のエロゲムービーを振り返るPart 1~ただのスライドショーじゃないんだよ~

 先日、2018年のエロゲムービー10選という記事を書いたわけですが、

2018年のエロゲムービー10選 - 残らない思い出を残しておく場所

まだまだ良い作品がたくさんあるのに10個しか紹介できないのは残念だなと感じたので、何回かに分けてもう少しじっくり振り返っていきたいと思います。

 

「君とつながる恋フラグ - オープニングムービー」

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 最初に紹介するのは、やはりKIZAWA Studioの作品でしょう。2018年の一年間でエロゲ全体で約200本だったムービーのうち40本近くを手掛けるこの制作会社が送り出す作品が、その年のエロゲムービーがどのレベルにあるのかという基準になると見ていいと思います。

 エロゲムービーの基本は曲のリズムに合わせて画像を切り替えていく「音ハメ」ですよね。「君とつながる恋フラグ」のムービーを見て昔と変わらないじゃんと思われるかもしれませんが、ここらへんの作品

『残念な俺達の青春事情。』オープニングムービー - YouTube

と比べると、動きや枠、エフェクトなどの細やかさがかなり違いますよね。2014年の作品である「残念な俺たちの青春事情」のムービーもKIZAWA Studio作品で、当時は激しく動くムービーだと感じていましたが、今見返してみるとややもの寂しく感じてしまうものですね。

 

「きゃらぶれーしょん! - OPデモムービー」

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 もう一つKIZAWA Studioの作品を見てみましょう。この2つを選んだのは曲が好きだからという理由もありますが(笑)、KIZAWA Studioの良さが存分に発揮されてる作品だからです。良さというのは、ムービーのゲーム内容を紹介する能力の高さです。

 まずは、曲のイントロという短い時間にゲーム本編のコンセプトを見てる人に理解させちゃう手際の良さですよね。大量のコンテンツがあふれるこの時代、初っ端で作品に引き込まないと即ブラウザバックされちゃうおそれがあるので、最初の十数秒でしっかりこれはこういったゲームですと紹介仕切るというのは偉いな、と感じますね。「イブニクル」とかも好きです。

イブニクル オープニングムービー - YouTube

 また、「恋フラグ」では、最初に縁結びの女神がやってくるところから話が始まって、女の子とフラグを構築していったのに(キャラ紹介)、途中でフラグをへし折って女神自身がヒロインになります~からのドタバタ劇(イベントCG)があって、最後に、もう勘弁して!!で落とすという全体の流れが完成度高いと感じました。「きゃらぶれ」のムービーも各所でヒロインたちの二面性を見せるムービーになっており、ゲーム内容とヒロインたちの魅力をよく引き出せていると思います。

 

「捻くれモノの学園青春物語 - オープニングムービー」

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 老舗のKIZAWA Studioの次に紹介するのは、ここ2,3年の台風の目になっているSyamoさんのムービーです。特に2018年は作品数も増えて、完全にSyamoの年だったと言えます。ムービーの構成としてはオーソドックスなエロゲムービーですが、なんと言ってもキャラ絵のパペットアニメーションがすごすぎる。ここまで自然に、ヒロインたちの魅力を引き出すような動きをさせることができるのかと驚きます。手拍子のところや「もう一回」のところなど音ハメもしっかり決まっているのもポイント高いです。ただ、タイトルの「捻くれモノ」やサブタイトルの「裏表」というところは伝わって来ず、普通の学園ラブコメに見えちゃいますね。

 「くれもの」と「きゃらぶれ」のムービーを比べたとき、確かに動画作品としての魅力としては「くれもの」が優るでしょう。だからといって「きゃらぶれ」が注目されないというのは悲しいことだと思うのですよ。「くれもの」では伝えきれなかった「表裏」を「きゃらぶれ」ではしっかり伝えられているといった良さにも目を向けて行きたいと思ったのでした。

(Part1 おわり)